ノベルティ・こども創造館 収蔵

セトノベルティとは

千年余の歴史を有する瀬戸のやきものは、日本六古窯のひとつに数えられ、食器や茶器などを生産してきました。明治時代になると従来のやきものに加え、ノベルティ(陶磁器製の人形・置物)や工業製品なども生産するようになり、その幅を広げていきました。
特にノベルティは「セトノベルティ」として精巧な造形や繊細な絵付、多彩なラインナップなどが海外で高い評価を得て、戦後の瀬戸のやきものづくりの中心的な役割を担いました。

しかし「セトノベルティ」は輸出向け製品が多かったこともあり、国内市場では知名度が低いことが課題となってきました。
今後、こうした歴史・現状を踏まえて、瀬戸のやきものづくりの伝統で培われたノベルティづくりのノウハウを次世代へ継承していく必要があります。

セトノベルティの特徴

  • 精巧な形状
  • 繊細な絵付・装飾
  • 多彩な製品ラインナップ
  • 小型から大型製品まで生産可能
  • 多様な素材(陶器・白雲・半磁器・ボーンチャイナ・炻器・磁器など)
  • マットからクリアまで可能な仕上げ
  • 石膏型による成形
  • 分業による生産体制(原型製作・石膏型製作・成形・絵付・焼成など)

精巧なつくり

白雲陶器の作品で、表面は美しいクリア仕上げ。

マットな仕上げで、毛並みまで表現されています。

繊細なレースも、全てやきものでできています。

※上記すべて瀬戸蔵ミュージアム 収蔵

セトノベルティの歴史

鎌倉時代 窯跡から狛犬が出土
江戸時代 手捻りや木型・土型で、仏像や動物などの置物が登場
明治時代 石膏型製法の研究や、陶彫技術の確立
明治6(1873)年 ウィーンで開催された万国博覧会に出展
招き猫・稲荷狐・福助・水入れ人形など
陶製の浮き金魚
ポン割で製作された最初のセトノベルティ
大正時代 第一次世界大戦時にドイツ製に代わり瀬戸製ビスク人形がヒット
昭和時代 複雑な形状を有する瀬戸製ドレスデン人形が完成
戦争の影響で1943年後半、セトノベルティの生産は一時途絶
18インチ(約45cm)の高さを持つ大形人形の製造も可能になる
ヨーロッパのノベルティの模倣から独自の商品開発へ移行
1960年代には、瀬戸のノベルティメーカーは300社を超える
1980年代以降、円高、新素材の登場等、徐々に生産数が少なくなる
平成時代 セトノベルティ 匠ネットワーク スタート

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